バーの内装工事をする際におさえておきたいこと
バーはお酒を楽しみ、空間を楽しむ場所です。そしてバーには多くの種類があり、バーごとに求められる雰囲気は異なります。どのような雰囲気のお店にしたいかというコンセプトを、内装工事にとりかかる前にしっかりと決めておく必要がございます。なぜならバーの雰囲気を決める要素の大部分を占めるのが内装だからです。
バーの種類により異なる内装工事ポイント
バーの種類には、高級志向のバーや、カジュアルな雰囲気のバー、ジャズの演奏を楽しむバーなどございます。代表的なバーについての特徴や、おさえておくべき内装工事のポイントをまとめました。
バーの種類
オーセンティックバー
ショットバー
カジュアルバー
ジャズバー
カフェバー
バーの種類と内装工事のポイントをひとつずつ解説いたします。
オーセンティックバー
オーセンティックバーは本格的なバーを指します。authenticが「本物」、「正真正銘の」、「本格的」という意味からもわかります。照明は控えめで立派なバーカウンターがあり、カウンター越しに専門的な知識を持つバーテンダーがお酒を作ってくれるといえば雰囲気が伝わるのではないでしょうか。ホテルの高層階にあるバーや、会員制のバーもオーセンティックバーの一種です。オーセンティックバーはおしゃべりを楽しむよりも、お酒、立地によっては夜景などの風景を含むお店の雰囲気を楽しむバーです。重厚な雰囲気を演出するため、一枚板のバーカウンターが使われていることも多く、内装も高級品を使う必要がございます。バーカウンターの後ろにあるバックバーには年代物のウィスキーなどが並んでいるのも特徴のひとつです。このため、見栄えのするバックバーを特注する方もいます。料理はそこまで本格的ではないため、厨房設備にはそこまでコストをかけなくても問題ありません。
ショットバー
one-shot barという言葉からなるショットバーは、ボトルキープする必要がないため滞在時間も短めで、気軽に1杯飲んで帰りたいというニーズがあるお客さま向けのバーです。隠れ家バーなども含まれます。落ち着いた雰囲気はありますが、オーセンティックバーよりカジュアルで、若者でもバー初心者でも利用ができ、親しみやすい雰囲気です。ショットバーは、注文ごとかまとめて清算するタイプに分かれます。内装についてですが、ショットバーにはカウンターがございます。一方、オーセンティックバーほど高品質のカウンターである必要はありません。料理もオーセンティックバーと同じく、本格的に調理する必要はないため、厨房設備にコストはかけなくてもよいです。照明も控えめですが、温かみのある照明や、ブルーやパープルのLEDを用いた神秘的な空間など、バーの雰囲気によって選択可能です。ショットバーはバー全体をモダンな雰囲気にすることもシックな雰囲気にすることも可能で、内装工事の自由度は高いでしょう。
カジュアルバー
立ち飲み方式のスタンディングバーや、英国風パブなどのバーなどを含む、気負いなく入れるバーをカジュアルバーと称します。価格も高くなく、初心者でも敷居が高いと感じずにお酒を楽しむためのバーです。内装ですが、カウンターはあることもあれば、ないこともあります。ソファーなどのゆったりとした席はなく、座席の間隔を小さめにとることで回転率を上げるための工夫がされています。スタンディングバーであれば、椅子も必要ないため回転率向上のための内装コストをさらに抑えることが可能です。厨房設備ですが、料理をメインに提供したいのであればコストをかける必要があります。明るくカジュアルな雰囲気にすると、お客さんが入りやすいです。
ジャズバー
ジャズバーは音楽を聴きながらお酒を楽しむためのバーで、カウンターも設置されていることが多いです。ジャズが流れ、お客さんは曲のリクエストを楽しめます。音楽を楽しむバーのため、雰囲気は重要ですが、それ以上に音響設備投資が必要です。ピアノの生演奏を楽しめるバーであれば、防音設備だけでなくピアノを置くためのスペースも必要となってきます。ジャズバーは料理にも力を入れる傾向があります。提供する料理によっては厨房設備にお金をかけることが必要となってきます。音楽とお酒を楽しみたいというお客様のためにも、内装の雰囲気と設備には費用をかけます。
カフェバー
カフェバーとはカフェとバーの雰囲気がミックスされた日本独自のお店です。カフェのように飲食も可能ですし、バーのようにお酒を楽しむこともでき、一日ゆったりと過ごせます。内装はカフェ寄りにカジュアルにすることも、バー寄りにゆったりとした作りにすることもでき、どちら寄りにせよ、居心地をよくすることが大切です。料理はカフェのメニューが想定されます。洋食メニューなどを提供する設備が必要なため、厨房設備にはコストがかかります。
バーの内装工事の主なデザイン例
内装工事のデザインをいくつか例をあげてみます。
オーセンティックバーのデザイン例
重厚な雰囲気を表すため、照明は控えめで、温かみのある色の間接照明を使用しています。バックバーもカウンターと同素材の高品質なものを使用していたり、カウンターも一枚板の高級品を使用したりすることが必要です。床材や壁材にタイル、レンガや石などの天然素材を利用することもあります。壁紙を使用する場合は、落ち着いた雰囲気の出せる木目調のものを使います。
モダンな雰囲気のバーのデザイン例
モダンな雰囲気のバーにするためには、壁紙に気をつかう必要があります。雰囲気に合うレンガ調の壁紙や、木目調の壁紙を取り入れるとよいです。また、店内のコンセプトを表すのに大切な要素である照明は、雰囲気にあわせた光量、カラーを選びます。モダンな雰囲気を演出するには、ネオンカラーなどを取り入れたり、ライトバーやLEDテープライトを取り入れたりするのもよい案です。
バーカウンターのデザイン例
バーカウンターの高さにこだわるのもデザインとして重要な点です。バーカウンターは高いものから順に、ハイカウンター、ミドルカウンター、ローカウンターと3種類ございます。カウンターが高いほど、お客様と目線が近くなりますが、長時間の利用には向かないです。一方低ければ座り心地はよいですが、お客様が見下ろされていると感じることがございます。これらの点に気を配ったデザインを考える必要があります。
バーの内装工事業者の選び方
内装業者は多くございますが、バーの内装を手掛けたことがある内装業者かどうかという点は重要です。内装工事の実績が多くても、バーの内装の実績が少なければ依頼主の理想のバーからは遠ざかってしまいます。コンセプトどおりのバーに近づけるためにも、ご依頼前に内装業者のバー内装の実績を確認が必要です。
バーの内装工事を依頼する際に気をつけるべきこと
バーの内装工事を依頼する際のポイントを解説いたします。まず、店舗の状態によって費用が異なることに注意が必要です。具体的にはスケルトン物件なのか、居抜き物件なのかで坪単価あたり約2倍の費用の違いがございます。また、要望は正確に伝えることも重要です。写真やイラストなど、内装業者がイメージをつかみやすい資料がたくさんあるとよいです。お見積りをとる際には、一社だけではなく数社に依頼します。価格設定が分かりにくいといわれる内装業界ですが、複数社からのお見積りを検討することで、お客さまの要望や予算にあった内装業者を見つけることが可能です。
まとめ
バーの開業を考えている方向けに、バーの内装工事の際におさえておきたいことをまとめました。バーをイメージどおりのお店にするためには、雰囲気が重要です。その雰囲気は内装によって最も左右されます。コンセプトをしっかりと持つことは重要ですが、そのイメージどおりに内装を手掛けてくれる業者を探すことも大切です。いくつかの業者からお見積りを出していただき、費用などを比較することをおすすめいたします。